曹洞宗の御本尊や脇侍の仏像・掛け軸や
釈迦如来や常済大師・承陽大師の選び方と祀り方

  • 2017.03.02
  • 2020.04.06

曹洞宗

宗派で大きく異なる御本尊や脇侍の選び方の「曹洞宗」向けの解説になります。
他の宗派と同様に、最も大切となる御本尊ですから、しっかりと間違いの無いように知っておきましょう。

曹洞宗は他の宗派と違って分派的なものが基本的にはありませんので、御本尊選びも特にこの○○派だからといった事がなくあまり間違える事もありません。

しっかりと曹洞宗の御本尊や脇侍について知っておくために、今回はそもそも御本尊はどれを選べばいいのかの選び方やそれをお仏壇に安置するための祀り方・置き方について解説しています。

曹洞宗の御本尊の基本は「釈迦如来」

曹洞宗の御本尊は仏教の開祖でもある「釈迦如来」となります。
しかしながら、曹洞宗などの禅宗系については、実際には御本尊はそれぞれの寺院などによって、阿弥陀如来になったり観音菩薩になったりする事もあります。

そのため、一般的には釈迦如来像を御本尊としてお祀りする家庭が多いのですが、菩提寺によっては安置する御本尊が異なることもありますので、確認しておくようにしましょう。

釈迦如来像を御本尊にする場合、多くは座った釈迦如来像になり、仏具店などでは座った釈迦如来像としての「座釈迦像」として販売されています。

お仏壇の中に御本尊を安置する場合は、どの御本尊かによらず、必ず仏壇の最上段の中央に安置します。
ここはお仏壇の中の本尊台や本尊棚と呼ばれるところで御本尊を安置するための場所になり、最も高い場所に置くように決まっています。

曹洞宗の脇侍は常済大師と承陽大師

曹洞宗の脇侍は「常済大師」と「承陽大師」となります。
それぞれ、向かって左側が常済大師となり、右側が承陽大師となります。

脇侍については基本的には御本尊に背を向けるという事がないように安置します。
多くは掛け軸として置く事が多い脇侍ですが、その場合、必ず御本尊側に向いた形で置くようになります。

脇侍でそれぞれの左右どちらに置くのかわからなくなった場合は、両脇侍がそれぞれ御本尊側を向くという事を覚えておくとわかりやすくておすすめです。

一般家庭では仏像を御本尊、掛け軸を脇侍がおすすめ

多くの方から御本尊や脇侍に仏像や掛け軸がありどう選べば良いかわからないといったお問い合わせや質問を受けることがあります。

実際には、これは曹洞宗に限らず他の宗派でも同じですが、御本尊は仏像か掛け軸かといった何にしなければいけないという決まりはありません。
あくまでも、釈迦如来像を祀るという決まりがあるだけです。

そのため、御本尊も脇侍も仏像でも掛け軸でも問題ありません。
ですが、一般的な家庭では御本尊には木製の仏像を、脇侍には紙製の掛け軸を使うというのが最も多いパターンとなっています。

こうしなければならないというわけではありませんし、予算などによるとは思いますが、特にこだわりやしきたりなどがなければ、御本尊には木製の仏像を、脇侍は紙製の掛け軸を祀る方が多くなっていますので参考にしてみてください。

ただ、仏像を御本尊として安置する場合、必ず仏壇のサイズは確認しておきましょう。
置いているお仏壇が小さいコンパクトなミニ仏壇などの場合、既存の仏像などではサイズが大きすぎて入らないといった事もありますから、少しその点には注意しておきましょう。

御本尊の仏像のサイズ選びには要注意

一般家庭では仏像を御本尊として安置する事が多いと解説しましたが、この時に少し注意して欲しいのが、仏像のサイズです。

仏像にしろ掛け軸にしろ、御本尊としてお祀りする際には仏壇の中に安置します。
そのため、何を選ぶにしてもお仏壇の中に入るサイズで選ぶ必要があり、そのためのサイズ表記をしっかり確認して選ぶ必要があります。

お仏壇には必ず本尊を安置する本尊台や本尊棚の高さが明記されていますので、そのサイズを目安に仏像や掛け軸のサイズを選ぶようにしましょう。

ただし、仏像の寸尺のサイズには注意する

仏像を選ぶ際に、お仏壇の中に入るサイズとして選ぶのですがこの時、サイズ表記に注意してください。
というのも、今の仏壇や仏具業界では、古いルールで運用している事が多いからです。

仏像のサイズに関しても、サイズの表記には寸尺法が用いられています。
仏像の高さで言えば、2.0寸や2.5寸といった表記が用いられます。

これだけなら特に注意は必要ないかと思うかもしれませんが、ここに大きな落とし穴があり、このサイズ表記は実は御本尊の釈迦如来像のサイズになるのです。
すなわち、2.5寸と書かれてあっても、それは仏像のサイズではなく、釈迦如来像のサイズ表記になるのです。

しかしながら、販売においては「座釈迦:2.5寸」といった表記で販売されています。
ですが、その詳細部に、座釈迦:2.5寸、総高:○○cmと書かれています。

御本尊としては釈迦如来像になるため、サイズは釈迦如来像の大きさを示し、仏像としてのサイズは別枠で記載されています。

くれぐれも仏像を選ぶ際には、寸尺法のサイズではなく、仏像の全体のサイズを見て選ぶようにしましょう。
仏像は釈迦如来が座るための台座や光背などによって、当然ながら釈迦如来像そのものよりも高さがあります。

そのため、寸尺法をご存じですぐに○○cmと頭の中で変換出来る方などは、その通りに買ってしまうともしくは入るけど小さすぎるといった事態になってしまいますので注意してください。

特に引越しなど仏像を買い換える時は、今の仏像が○○寸だから同じのを買えば大丈夫といった買い方をすると、仏壇に入らない、入っても小さすぎたとなるため、必ず総高を見て選ぶようにしましょう。

脇侍の掛け軸も少し高さには余裕を持って選ぶ

御本尊の仏像選びだけでなく、脇侍に掛け軸を祀る際にも少しだけ注意してください。

実は掛け軸と言っても大きくわけると、そのまま置ける自立タイプの掛け軸と、ピンやスタンドに吊して安置するタイプの掛け軸の2種類があります。

そのまま置ける自立タイプの掛け軸を選ぶ場合は特に問題ありません。
少し注意が必要なのは、吊すタイプの掛け軸の場合で、吊すためにはスタンドやピンを使うのですが、その分の高さが必要になります。

掛け軸の高さなども主に掛け軸そのものの高さになり、別売りスタンドやピンの高さを考慮はされていません。
そのため、こういった吊すタイプの場合は、その吊す道具の分の高さも考慮しないと、ギリギリの高さで買ってしまうとお仏壇に入らないという事態になってしまう可能性があるのです。

特にミニ仏壇やコンパクト仏壇など小さいお仏壇の場合は、そもそも小さなお仏壇になりますから、サイズぴったしで買ってしまうと入らない事もあるので注意しましょう。

大型仏壇などの場合は、よほどの事がない限りは入りますが、逆に吊した時に御本尊の仏像の高さよりも高くなりすぎたりしないように注意もしておきましょう。

意外と簡単なようで知っておくべき、注意しておくべき事が多いのが御本尊・脇侍選びです。

お仏壇に安置するにあたって、非常に重要で大切な仏具の1つになりますから、くれぐれも間違えた、入らないといった事にならないように事前にしっかり確認して間違いの無いようにしておきましょう。

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  • 公開日:2017.03.02
  • 更新日:2020.04.06

カテゴリ:曹洞宗

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