見た目は同じような位牌でも価格が違う場合は
国産などの産地と塗などの工程が違って価格が違う
位牌を選ぶ時に多くの方が悩まれるのが実際に言えばやはり価格です。
なるべく良いものを買いたいとは思うものの、これからの生活もあるため高額なものは買えない、バランスの良いものを選びたいという方も多くいます。
また、価格面とは違って、まだまだ日本は国産至上主義的なものが根強くありますから、どこで造られているのかというのも大きく気にされます。
そんな方がよく悩まれるのが、位牌の春日型や勝美型などだいたい同じだけど、値段が数千円のものと、数万円のもので何がどう違うの?というのがあります。
今回は、そんな位牌選びの際の型やデザインが似ているけど価格が大きく違う場合についてまとめてみました。
安い=悪、高い=善という単純理由で片付かない
一般原則論として言えば、本来なら安いのはそれなりな理由があり、高いからにもそれなりな理由があります。
ですが、位牌を含めたこのお仏壇業界はそう単純ではありません。
というのも、今でこそ色々暴かれてきていますが、その商品の仕入れ値や元値などがいくらかというのが全くもって想像が付かないからです。
そのため、高い位牌だからといって、元値が高いというわけではありません。
超安価な位牌を超高値で売る店も多数存在する
仏壇店は今でこそネット販売も多くなってますが、今もまだまだ実店舗販売の方が圧倒的に多く、主流でもあります。
そういう方はあまり比較をしません。
そうなると、店側はある程度口がうまいと上手に営業できて高い値段で販売できてしまうものです。
ネットの販売店と実店舗であっても仕入れメーカーなどは同じところが多いです。
そのため、同じ位牌を仕入れているのに、販売価格は「0」が1個実店舗では多く付いているという程の価格で販売されている事もあります。
実際に、自分が今まで見たなかなかヒドイ例ではこんな感じです。
(自分が働いていた時の仕入れ値などを、倍率は同じで少しごまかしている感じになります)
仕入れ値 | 通販の販売価格 | 実店舗の販売価格 |
---|---|---|
2,100円 | 4,980円 | 49,800円 |
2,600円 | 5,980円 | 59,800円 |
4,500円 | 9,980円 | 69,800円 |
あくまでも例ですが、こういう事もあるわけです。
そうなると、安かろう悪かろう、高価なものは良品質という事も当然言えません。
位牌の値段で大きく変わるのは産地と工程で変わる
位牌の販売においては、仏壇ほどの高価格でない事もあってか、表示義務などの決まったルールなどがなく、それぞれの裁量に任されている面が強くあります。
そのため、親切な店舗であればしっかり解説していますが、そうでなければ、何も解説されておらず、春日型:○○円という表記のみという店すら存在している状況です。
ですが、位牌で大きく値段が変わってくるのが、大きく分けて2つで、産地とその工程になります。
安いのは基本的に外国産。国産は高価格傾向
位牌を探していると、非常に安価なものから高いものまで幅広く見つかります。
ですが、この時に安価なものは必ずといって良いほどに、外国産となります。
そもそもの今の日本の時給で考えてみればわかりますよね。
位牌を100本造ろうと思って、1本1,000円で販売している位牌の元値が500円だったとして、時給1,000円の人で造ってどれだけ利益出るのか…となるわけです。
安いものは、やはり中国などやアジアでの外国で大量生産されたものがほとんどになります。
とはいえ、外国産=悪という考えも今ではもう古い
そもそもお仏壇業界は日本では衰退業種の1つになります。
今後伸びる見込みは限りなく少なく、減少傾向にあるわけで、職人も減ってきています。
そのため、そういった日本で技術を持った人やノウハウを持った人が、中国やフィリピン、ベトナムなどのアジア各地で製造の責任者となって造っている工場があります。
そうなってくると、値段ほどの国産の品質と外国産の品質に違いがあるのかというのは素人目ではわからないレベルにまでなってきています。
国産の産地によっての違い
国産の位牌といっても造られている産地などで呼び名もつけられている事が多いです。
中でも国産位牌の代表格的な位置づけにあるのが「会津位牌」です。
会津若松地方で造られ、位牌で必要な工程でもある「漆塗り」の技術職人が多数いることで、位牌の産地として有名にもなっています。
また、会津位牌はしっかりブランド化されており、協会も造られていますので、それらの管理下で造られているものにはしっかりと下記のようなマークが付いているはずです。
同じように、会津のような各地方によって、名古屋位牌、高野位牌などと造られている地方の名が付いている事が多くあります。
工程や塗によっての違い
位牌の工程は色々ありますが、この工程の手間をどれだけかけるかなどで、価格も大きく変わってきます。
当然、同じデザインの型の位牌同士でも、この工程が違えば値段も変わります。
外国産の位牌の工程などでは10工程前後で、高級な位牌になってくると、15工程前後といったところになるのではないかと思われます。
稀に、超破格値で15工程や20工程などを謳っている業者などもありますが、あまりに怪しすぎるため、本当かどうかを今一度確かめた方が良いです。
本漆に手塗の工程を行うなど、慎重にならなければならない作業が増えれば増えるほど、当然価格に跳ね返ってきますが、今では外国産のコストバランスに優れた位牌が多くなったため、本当に高級品は多くが受注後に造られるようになっています。
また、塗の色については、「呂色塗」というのが高級として選ばれます。
もちろん、その分だけ価格が非常に高くなってきます。
安すぎないある程度しっかりした品質の外国産が一番選ばれている
実際問題、位牌の質という面では素人目にはわかりません。
よほど伝統技能やそういった昔ながらの技術などが好きという方なら別かもしれませんが、使われている金箔がどうなのか、金粉がどうなのかとかをわかる人は稀です。
同じ場所でそれぞれを並べたら、当然ながら違いはわかりますが、1個だけを選ぶ場合、よほど悪質なものでない限りは見た目的には多くの方が満足できる見た目に今の外国産もなっています。
実際に通販の販売者の口コミなどを見てみても、そういう方が圧倒的に多いです。
外国産で不安でしたが、実際に届いて見たら非常に綺麗で安心しましたという声が多数あります。
今では景気的なものの影響もあり、外国産の位牌が主流です。
もちろん、名入れ込みで2,000円や3,000円程だと少し心配になりますし、安すぎる位牌はどうかと思いますが、名入れ込みで、5,000円くらいの位牌も必要十分な品質を保っています。
そこまで位牌に関しては国産が良いんだとこだわりを持っているわけでないのであれば、固執する必要性はないと言えそうです。
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