日蓮宗の御本尊や脇侍の仏像・掛け軸や
大曼荼羅/日蓮聖人・大黒天・鬼子母神の選び方と祀り方
仏具の中でも非常に大切になる「御本尊」選びの日蓮宗向けの解説になります。
他の宗派と選び方などは似てはいるものの、日蓮宗だけは御本尊の選び方が少し異なってきます。
教科書などにも登場し聞いた事のある日蓮聖人によって開かれた、日本でも信者が多い「創価学会」の元となっているのもこの日蓮宗になります。
※厳密に言えば日蓮正宗であり、さらに現在は日蓮正宗と創価学会は袂を分かっています。
日蓮宗は久遠寺を総本山としますが、今では思想面などにおいて色々な意見の違いなどもあり、分派も非常に多くできています。
仏具においても日蓮宗だけで使う独自の仏具などもありますので、可能であれば、事前にお寺に確認しておくようにしましょう。
日蓮宗の御本尊の基本は「大曼荼羅」
多くの宗派では、御本尊には阿弥陀如来や釈迦如来などの仏様と祀る事になりますが、日蓮宗では他の宗派と異なり御本尊は大曼荼羅を祀ります。
これこそ日蓮宗の大きな特徴の1つになります。
よく勘違いされる方がいますが、日蓮聖人を御本尊に祀るわけではなく、あくまでも御本尊は大曼荼羅になります。
日蓮聖人は大曼荼羅の前に
しかしながら日蓮聖人は日蓮宗の開祖でもあります。
そういったこともあり、一般家庭において日蓮宗の御本尊の祀り方としては、大曼荼羅の掛け軸を御本尊に祀り、その前に日蓮聖人の仏像を祀る事が一般的とされています。
実際、日蓮聖人の仏像もそう祀る用に、サイズが他の宗派の仏像と比べても一回り小さく作られており、大曼荼羅の前に安置しやすいサイズになっています。
日蓮宗の脇侍は大黒天と鬼子母神
日蓮宗の脇侍は「大黒天」と「鬼子母神」となります。
それぞれ、向かって左側に大黒天を祀り、右側に鬼子母神を祀るのが一般的です。
脇侍を祀る際に、他の宗派で使われる脇侍は多くは御本尊の方を向いている事が多いですが、日蓮宗で使われる掛け軸の「大黒天」と「鬼子母神」は正面を向いているものが多いので、左右の配置を間違えないように注意しましょう。
一般家庭で日蓮宗は4点セットで祀るのがおすすめ
他の宗派の解説を見られた方に多い質問が、他は御本尊は仏像だけれど日蓮宗の場合はどうすれば?という質問です。
先ほどにも解説したように、日蓮宗の御本尊は日蓮聖人ではなく大曼荼羅です。
そのため、お仏壇の最上段中央の本尊棚には、必ず大曼荼羅を祀るようにしてください。
ただ、今の一般的に多い祀り方でありおすすめなのが、これも先ほどに書いたように大曼荼羅の掛け軸の前に、小さめの日蓮聖人の木製仏像を祀るのがおすすめです。
他の宗派では、仏像と掛け軸の両方を御本尊に安置する事はありません。
しかしながら、日蓮宗においては、大曼荼羅の掛け軸の前に、日蓮聖人の仏像を置くのが正しい祀り方となり、大曼荼羅、大黒天、鬼子母神、日蓮聖人の4セットでお祀りするようにしましょう。
もちろん、予算や仏壇のサイズの関係などで、仏像を置くスペースや余裕が無いという場合は、日蓮聖人の仏像は安置せず大曼荼羅のみを置くようにします。
日蓮聖人の仏像を安置する際にはサイズに要注意
日蓮宗では他の宗派と違い、御本尊の場所に掛け軸と仏像を2つ置きます。
そのため、掛け軸や仏像の種類によっては、幅もしくは奥行きにある程度の余裕が必要になってくる場合があります。
選び仏像のサイズとしては、御本尊でもある大曼荼羅が隠れないように、日蓮聖人が大曼荼羅の前に構えるといったイメージのサイズをしておけば問題ありません。
お仏壇を選ぶ際には、本尊用の高さなどが記載されていますので、そのサイズに合わせた大曼荼羅の掛け軸や日蓮聖人の仏像を選びましょう。
日蓮聖人の仏像のサイズの記載に注意を
日蓮聖人の仏像はただでさえ大曼荼羅とのサイズ比を考えて選ばなければならないのですが、もう1つ、一般的な仏像を販売している仏具店で使われる寸尺法での記載にも注意しなければなりません。
仏像を買おうと思った際には、そのサイズの表記には寸尺法が使われており、日蓮聖人木製の仏像が2.0寸や1.5寸といった表記で販売されています。
しかしながら、この○.○寸という表記は、仏像のサイズを表すのではなく、日蓮聖人の大きさを示すサイズという習わしがあります。
日蓮聖人仏像2.0寸と記載があっても、別のところに全体像10.5cmといったような表記がされています。
ですから、日蓮聖人の仏像も一緒に大曼荼羅の前に安置する際には、この全体サイズをしっかり確認するようにしましょう。
また、買い換えなどの際には、同じ寸尺の仏像であっても、あくまでもそれは日蓮聖人そのもののサイズが同じというだけであり、台座含めた全体では高さが変わる可能性も高いので、注意してください。
掛け軸選びも高さは少しだけ余裕を持たせて選ぶ
日蓮宗は他の宗派と違い御本尊に大曼荼羅を祀ります。
そのため一般家庭においては、大曼荼羅の掛け軸を安置するのが一般的です。
この大曼荼羅および脇侍の掛け軸を選ぶ際に、高さのサイズにだけ少し注意しておきましょう。
というのも、掛け軸には今は2種類あり、そのまま置いて立たせる事が可能な掛け軸と、紙製の掛け軸を何かに引っかけたり別のスタンドを使って安置する2パターンがあります。
そのまま置いて立たせる事ができるスタンド型や自立型の掛け軸はサイズ表記のままなので問題ありません。
少し注意が必要なのは、別スタンドや何かに引っかけたり吊したりして安置するタイプの掛け軸です。
この場合、何かに引っかけたり吊すため、掛け軸そのもののサイズより、スタンドやピンなどに吊したりする分だけ、少し高さに余裕が必要になります。
あくまでも掛け軸のサイズは掛け軸自体のサイズでしか記載されていません。
お仏壇にピッタリサイズの掛け軸を選んでしまっては、吊すためのピンやスタンド分の余分な高さがなく入りきらないといった事になりかねないため、少し注意しておきましょう。
今では住環境も替わり、小型仏壇やマンション用の小さなお仏壇なども多数販売されています。
特にそういった小型仏壇の場合は、お仏壇自体が小さいため、どうしてもスペースに限りが出てきてしまいます。
全部揃えてみたものの入りきらない…といった相談は以外と少なくありませんので、サイズ選びにはくれぐれも注意するようにしましょう。
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