木製や金箔に漆塗りなど塗位牌にも種類がたくさん?
塗位牌の木材の材質や塗仕様や金粉金箔の選び方を解説
位牌の中での種類は塗と唐木とモダン風と3種ありますが、最も主流と言えるのが塗位牌です。
店などによって、紹介のされ方などはより華やかに見えるように、極上塗位牌などとされる事はありますが同じです。
ですが、そんな塗位牌でも、実は素材などによって当然価値や価格も変わります。
なかでも、特に業界の人ですらあまりわかりにくく、一般の人ならなおさら分からないのが、位牌の材質などについてです。
今回は位牌の中でも塗位牌の材質についてまとめてみました。
塗位牌の材質は多くは3つ「下地材質」「金」「表面処理の塗仕上げ」で見ると良い
塗位牌の材質とありますが、実はあまりそこまで詳しく書かれていない事も多いです。
特に最近では海外製の位牌が主流という事もあり、激安すぎる位牌なども登場し、そういった事を伏せているお店も多少あります。
ですので、ここで覚えておいて欲しいのが、塗位牌を見分けるには3つのポイントという点です。
それが
- 下地の材質
- 金箔や金粉などの質
- 表面処理の塗仕上げ
この3点です。
名称は当サイトが、業界人でなくてもわかりやすいようにと勝手に名付けてはいますので、人や店によって言い方は異なるかもしれませんが、だいたいこれで通じるかと思います。
そもそもの塗位牌について知っておくべきこと
位牌は基本的に木製です。
もっと言えば、まるでプラモデルかのように、それぞれのパーツを組み合わせて出来ています。
そのため、位牌はあの形が1つの木材でできているのではなく、台座部分や札部分など、それぞれのパーツにわかれているのを最後に組み立てる事で成り立っています。
このそれぞれの木製の材質が何かというのが、下地の材質になります。
ざっくりと言えば、これらの下地を加工し、そこから下地付けと呼ばれるより強固にするための研磨や塗を行い、漆塗り行います。
その後、蒔絵などや金粉・金箔押しなどを行ったものを、先ほど述べたように組み合わせたものが塗位牌と呼ばれて完成になります。
そのため、してはいけませんが、届いた位牌の札部分を上に力一杯引っ張れば、札部分や台座部分などそれぞれのパーツに分けることができます。
(ただし元に戻せなくなる可能性もゼロではないためしないようにしてください)
この工程などは品質などによって別れ、高級な位牌などになればなるほど、研磨や塗を複数回行う事になります。
下地の材質について
位牌は基本的に総木製になります。
ですので、そのまま総木製と書かれることが多いです。
総木製と言えども、何の材質かはそれぞれの位牌によって異なりますが、多くはだいたい相場が決まっており塗位牌では下記の木材が使われます。
- 檜(ヒノキ)
- 紅松(ベニマツ)
- 朴の木(ホオノキ)
- シナ
総木製と記載されていれば、多くはこれらが使われる事が多いですが、気になる方は聞いておくと良いかもしれません。
また、特にどれが良いといったような差は、この中での位牌として見るならあまり差はありませんので、これらであれば問題視する必要はないと言えるかと思います。
金箔や金粉などについて
塗位牌は、見たとおり漆黒の黒と金によって成り立ちます。
この金で輝く仕様に仕上げるために必要なのが、金粉や金箔になります。
ですが、この位牌に使われる金を何を使うかというので、質や価格は大きく変わってきます。
この金箔や金粉にもランクがあります。
最高ランクであれば、金純度が98.91%の五毛色金粉と呼ばれるものがあります。
ですが、当然その分だけ価格に跳ね上がってきますので、国産高級位牌などでしか使われる事はなく、位牌で五毛色金粉が使われる位牌などは、だいたい相場は数万円になります。
そうでなければ金純度が95.79%の純金箔がが位牌にはよく使われているかと思います。
グレードを落としてとにかく値段だけで選ぶような位牌の場合は、実際には金箔金粉を使わず、代用粉と呼ばれるような金色塗料で代用しているものもあります。
素材だけではなく腕も大事
金箔や金粉などは、どの金箔金粉を使うかも大事ですが、実はその加工の腕にも大きく左右されます。
どれだけ質の良い金を使っていても、それを塗りつける職人の腕が未熟であれば、当然良い物ができるはずがありません。
ですが、職人を抱えるという事は、それだけ店にとっては大きなコストになりますので、腕の良い職人が仕上げてくれるお店はその分だけ値段も高くなってしまうため難しい問題と言えます。
質とコストのバランスを見て選ぶのが今の時代の最善策と言えるのかもしれません。
表面処理の塗仕上げについて
塗位牌は先ほども書いてきたように、色々な工程を踏まえて完成されます。
その中で、グレードなどの質と価格を大きく左右する1つでもあるのが、この塗仕上げがあります。
よく漆塗りという言葉を聞くことがありますが、位牌にも施されます。
もちろん施されるのは高級位牌になり、この漆塗りを職人が手塗りするのが最も高級とされ、漆以外や手塗ではなく吹きつけ塗装などをする場合は質が手塗などに比べると劣ります。
漆塗りは、漆塗り以外にも上塗りなど様々な技法がありますが、漆塗りのため高級位牌になります。
相場としても、一番最もオーソドックスな春日型ですら、1万円はゆうに越す値段の高級位牌となり、漆塗り、上塗と書かれているものは漆塗りの塗位牌になります。
もう少し値段を落とす塗位牌などでは、カシュー塗やウレタン塗などになります。
とはいえこれらの塗装も家具などでも使われますし、お仏壇の多くもウレタン塗装になり、こちらの方が一般的な位牌のグレードになります。
高級位牌を求めるなら漆塗タイプを、そうでなければカシューやウレタン塗の位牌を選ぶのが一般的かと言えます。
これらの仕様にプラスして、デザインと蒔絵や金具などで選ぶ
一般的な塗位牌に金具が付く事はありませんが、塗タイプの回出位牌の場合はここに真鍮などを使った金具が使われる事があります。
金具類なども真鍮製なのかどうか確認しておきましょう。
また、最近は塗とモダンの融合と言えるようなモダン塗位牌と呼ばれるようなものも登場しています。
これらは、仕様としては塗位牌をベースとしながらも、モダン位牌のような蒔絵を施したりしています。
こういった場合は、上記の仕様に蒔絵分がプラスされた仕様となります。
今ではよほどの事がない限りは粗悪品は減ってきている
ネットが発達する少し前までは、漆を使っていなくとも漆塗りなどと表記したり、国産でないものを国産と偽って販売している仏壇店・仏具店が数多くあったと言われています。
ですが、今のネット社会はいわば通報社会でもあります。
少しおかしな事をしたらすぐに公開されて、客足が一気に遠のくという事もあり今では真っ当な企業が多くなりました。
もちろん、数は少ないながらもそういった詐欺的な仏具店はまだありますので、塗位牌を選ぶさいにはこういった事に注意しながら、価格と質のバランスを選んでいくようにしましょう。
1万円以内で抑えたいのであれば、総木製のカシュー塗の春日型や勝美型をおすすめします。
1万円~2万円の予算があるのであれば、総木製のカシュー塗の千倉型や呂門型などか、春日型の漆塗りタイプをおすすめします。
3万円~5万円の予算があるのであれば、かなり高級位牌も候補に挙がります。
国産で漆塗の位牌なども予算内でおさまりますので、仏具店の中での一番質の良いものから選んでいけば、自ずと一番最適な位牌が見つかるはずです。
大切なのは何が良くて何が悪いではなく、予算と質に応じて、きちんとご自身が理解して納得できるお位牌選びになります。
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