仏具のマッチ消しの役割や選び方。火を付けるマッチとライターの違いやいまどきの流れも解説
仏壇仏具においては、一見なんでそうするんだろう…と思えるものが実は多く存在しています。
今回のマッチ消しという仏具においても、実はその1つと言えるかもしれません。
実際には今の主流からは逸れて、使われなくなっている仏具でもありますが、伝統型や大型仏壇などにはまだまだしっかり置かれています。
なにより、昔からのやり方を重要視する地域や家庭などではマッチ消しも非常に大切な仏具の1つになりますので、この機会にしっかり見ておきましょう。
仏具としてのマッチ消しについて
呼び名などは多少違いがあれど、概ね「マッチ消し」と呼ばれます。
意味としては、文字のままで、マッチの火を消すために使われる仏具になります。
ですが、あまり馴染みがない方だと、ここでこう思うはずです。
え?マッチの火を消すためだけにわざわざ仏具を1つ用意するの?と1度は皆思うはずです(笑
ロウソクに火をつけるのにマッチなのかライターなのか
厳密にこう決まっているという話はあまり聞いた事がありませんが、従来の方法としてやはりマッチを使われる事が多いです。
昔はまだライターといった類のものがなかったというのも理由の1つかもしれません。
また、ライターは何度も使えますが、マッチの場合は1本1本が使い切りです。
手を合わせる度に、1つのマッチを使うと言うことにもなり、1本1本と一期一会という事もかねてマッチが使われるといった話もあります。
地域や家庭などで決まっていれば別ですが、実際にはどちらを使っても問題ないとされてはいます。
唐木仏壇や金仏壇にはマッチ、モダン仏壇にはライターが主流
昔ながらの唐木仏壇や金仏壇は、やはり重厚感や伝統的なスタイルという事もあり、今までのようにマッチを使って火を付け、マッチ消しにマッチの棒を入れるというのが主流です。
一方、今の住宅環境などに合わせたモダン仏壇の場合には、マッチではなくライターなどを使って付けるというのが主流です。
そもそも、モダン仏壇に合わせるモダン仏具にマッチ消しの主流があまり多くありません。
実際、マッチ消しは、従来の唐木仏壇や金仏壇に合わせやすい、紫檀や黒檀系の色味の仏具が多くなってします。
マッチにつけた火は決して口では消さない
マッチ消しにマッチを入れる前に、付いている火は消す事になりますが、この時、必ず手で扇いで消すようにしましょう。
絶対に口から息を掛けて消してはいけません。
これには理由があり、私たち人間の口は、穢れやすいものとされています。
その穢れやすい口から出るものは不浄である前提が仏教ではあります。
仏様に供えるものになるため、穢れやすい口からの息を使ってマッチの火を消す事は不浄であり、火を消す場合は、必ず手で扇いで消すようにしましょう。
マッチに火をつけ、ロウソクに火を灯し、そこから線香に火をうつしていく事になるかと思いますが、線香の火を消す時も同様に息を吹きかけるのでは無く、手で扇いで消すようにしましょう。
マッチ消しのの選び方や宗派の違い
マッチ消しは、どう選べばいいのかという点に置いては、基本的にルールはありません。
宗派の違いなどもなく、全宗派で使うものになります。
特に選び方や宗派の違いなどはありませんので、お仏壇に合わせて選んだり、予算などに応じて選んで問題ありません。
素材や材質と色について
自由に選べるというのは逆に選びにくいという事に繋がりますが、マッチ消しはそこまで種類が豊富にある仏具でもありません。
また、火や燃えかすが直接触れる仏具になるため、素材や材質も限りがあり、他の仏具のように多種多様に用意されていたりはしませんので、仏具店の中から選ぶようにしましょう。
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だいたいは、価格帯に応じて、材質が変わっていたり、デザインが変わっていたりといったものが数種類毎に用意されています。
材質としては、多くの格安仏具のプラスチック製などは火を扱うために無く、多くが「陶器製」「銅製」「鉄製」「真鍮製」といったマッチ消しが主流になります。
色味も多くが唐木仏壇などに合わせる仏具になるため、鉄製や真鍮製だと黒色が多く、陶器製などだと青磁、白磁などが用意されています。
色や素材もどう選ぶべきといったものはありませんので、他の仏具や仏壇との兼ね合いを考えて選ぶようにしましょう。
無くても問題ないが伝統型仏壇なら置いておきたい仏具
マッチ消しは極端な言い方をすれば、無くてもそこまで困らない仏具です。
言ってしまえば、多少のマナーなどに目をつぶれば、マッチの燃えかすは別の場所に捨てれば済むという事にもなります。
ですが、唐木仏壇など伝統型仏壇をお持ちなら、火立に立てたロウソクに火を灯すのにマッチを使うというのはもう昔からの伝統的習わしと言ってもいいほどに“当たり前”に行われるものになります。
今では簡易ライターなども存在していますが、どちらかと言えばモダン仏壇用に使われる事が多いです。
こうといった決まりはありませんが、価格も高いものではなく、安いものなら1,000円前後から販売されていますので、せっかくですからしっかり揃えておきましょう。
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