複数の位牌を1つにまとめる時に使う回出位牌
読み方等の基本からデザインの選び方やまとめ方を解説
位牌の中でよくいただく質問の1つに回出位牌があります。
位牌と聞けば多くの人が、戒名など入れてある金色だったり木目のあれかとイメージしやすいかと思います。
しかしながら、その一方で回出位牌については見たことがない人も多く、何のためにあり、どういう用途で使われているのかというのをご存じないという方も多いはずです。
今回はそんな回出位牌について解説してみたいと思います。
回出位牌についての基本知識
まずはざっくりと簡単に回出位牌についての基本的なところをまとめています。
回出位牌とは、知らなければまず読めないのですが、読み方は「くりだしいはい」と読みます。
場合によっては回出位牌という字ではなく、繰出位牌と書かれている場合もありますが、どちらも同じ「くりだしいはい」の事になります。
主な役割というか意図としては、既に複数の位牌があり、それらを1つにまとめる時に使われるものになります。
回出位牌は位牌の形そのものに大きな特徴を持ちます。
見た瞬間に、回出位牌だと分かるのですが、箱型のデザインをしており、中に複数枚の“札”を収納できる作りになっています。
なぜ、どういった時に回出位牌を使うのか
回出位牌の役割は複数の位牌をまとめるために使われます。
そのため、最初のお位牌などで回出位牌を選ぶ事はなく、そういった場合は通常の札位牌を選びます。
回出位牌は複数の位牌をまとめるのですが、そもそも複数の位牌があるというのがどういう状況かというと、親から子などへ受け継いでいる場合がこれに当たります。
お位牌の多くは1人に対し1つ用意する事が多いです。
夫婦連名などであれば、1つで2名分になりますが、それでもやはり多くは1人に1つのお位牌になります。
そうなると、何代もわたって仏壇を継承したりしていると、その御先祖代々のお位牌全てがあるというった事になってしまいます。
そうなるといくら大型の仏壇であったとしても、位牌を安置しておく場所がなくなってしまいます。
小型仏壇であればなおさら置く場所が無くなってしまいます。
そういった時に、回出位牌を使って複数あったお位牌を1つにまとめるとして使います。
多くは法要を区切りに切り替える事が多い
複数のお位牌を1つにまとめる回出位牌ですが、じゃぁいつでも好きな時にまとめていいかというと、多くは法要時を区切りにするのが一般的です。
多くは三十三回忌や五十回忌などを1つの基準にします。
こういった区切りの法要の際に、法要と合わせて今までの位牌を回出位牌へと1つにまとめる事が多いです。
場合によってはもう少し早い七回忌、十三回忌などの法要時にまとめる方もいらっしゃいます。
回出位牌の種類やデザインと選び方
回出位牌は他の多くの位牌と同じで、宗派に違いなどはありません。
特定の宗派だからどういった選び方をしなければいけないといったものはないため、基本的には予算と好みで選んで問題ありません。
そんな回出位牌には種類としては大きく3種類あり、デザインとしても大きく分けて2種類にわかれます。
種類は塗タイプと唐木タイプとモダン・家具調タイプ
回出位牌も通常の札位牌と同様で、塗タイプの回出位牌と唐木タイプの回出位牌があります。
札位牌で最近は人気が集まってきているモダン・家具調タイプの回出位牌もありますが、まだ数としては少なめにあたります。
もう少し年月が経てば、需要と共に家具調タイプの回出位牌の種類も増えてくるのではないかと思いますが、今の回出位牌ではまだ塗と唐木タイプが主流になります。
デザインの種類としては箱型と屋根型
塗でも唐木の回出位牌でもデザインの種類としては大きく分けて2種類に分類されます。
1つが、通常の札位牌と同じ○○型のデザインを施した箱型タイプです。
春日型、勝美型、千倉型などがありますが、そのデザインをそのまま回出位牌にしたものになります。
春日回出位牌、勝美回出位牌などと仏具店でも見かける事ができるはずです。
もう1つが回出位牌独自の屋根や扉が付いたタイプのデザインです。
独特のデザインをしており、スタイリッシュで格好が良いデザインタイプのものも多くあります。
また、回出位牌は中に複数枚の札を収納するため、通常の木札よりも奥行きがあります。
回出位牌をお仏壇に収納する際には、お仏壇の置く場所に、奥行きのサイズが収まるかどうかをしっかりと計ってから選ぶようにしましょう。
先ほども記載したように、回出位牌の選び方として特に決まりはありませんので、予算とデザインなどから家族で相談して決めましょう。
回出位牌にまとめるときの基本
回出位牌は最初にも記載したように箱型になっており、中に複数枚の木製の札が収納できる作りになっています。
中の木製札は5枚~10枚程度の枚数が収納できるものが主流になります。
1つにまとめる際には、一番最初の札に「○○家先祖代々乃霊位」といったように1つにまとめた○○家の位牌とわかるように名入れを行います。
2枚目以降の木札に、それぞれ御先祖のお位牌と同じ戒名などの名入れを行い、命日順に並べます。
命日に近い御先祖の木札を2枚目から順番に並べ、命日を過ぎたら回出位牌の木札の後ろに回し、次の命日が近い御先祖様が2枚目にくるという形になります。
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