1つ持っていると便利で万能な仏具でもある
経机や御供机の違いと役割や使い方と種類を解説

  • 2017.04.10
  • 2020.04.06

仏具

仏具には色々な種類が存在し、業界にいる人ならまだしも、一般の人からしたらこれは何て読むの?という漢字がであったり、どうやって何に使うんだろう…という仏具まで様々です。

今回はよく読み方も聞かれ、使い方や用途も間違えやすい「経机」や「御供机」について解説していきたいと思います。

経机は読み方を「きょうづくえ」と読み、御供机は読み方を「おそなえつくえ」と読み、それぞれに色々な種類があり、お仏壇に合わせて選ぶ必要がありますのでしっかり見ておきましょう。

経机や御供机の役割と用途について

一見、パッと見普通に木製の机に見えるかもしれません。
経机は仏具の一種でもあり、お仏壇の前に設置して仏具などを載せる役割を持ちます。

主な役割としては2つあります。

昔ながらの経本を読むための役割

1つは、経机という名前の通り、経本を読む際に使われる机としてが役割です。
昔は経机を使って、お経を書いたり、写経をしたりするために使われており、今でいうところの勉強机的な役割でした。

法要などの際に必要になったりもします。

今は日々のお参りのための仏具の置き場として

もう1つが、日々のお参りのために必要な仏具一式を置く台として使われます。
経机をお仏壇の前に置き、経机の上に前香炉、火立、おりんなどの仏具を置いて使います。

一般の使い方としては法要はそう頻繁にあるものではないため、お仏壇の前に置いて必要な仏具を載せて、日々のお参り用に使われる方が多いです。

本格的に仏具を祀ると、どうしても仏壇の中に収まりきらなかったり、一杯になってしまうため、日々のお参りで使う仏具を経机に置く事で、効率的にまた、安心してお参りできるようになります。

また、仏壇内に仏具を多く置きすぎていると、お参りの際にロウソクに火を灯したり、線香を立てたりすると燃え移ったりなどの心配があるため、火を扱うものを経机に置く事でそういった心配を無くす目的もあります。

載せる仏具としては宗派やお寺などで多少の違いはありますし、仏具をどれくらい持っているか、お仏壇のサイズなどでも大きく変わってきます。
とはいえ、多くの場合は下記の仏具の中のいずれかを置く事が多いです。

  • 経本
  • 数珠
  • 香炉(前香炉)
  • 火立(ロウソク立て)
  • 線香立て
  • マッチ消し
  • おりん
  • 数珠

経机には引き出しが多く備わっていますので、その引き出しにロウソクや線香、マッチなどを入れておくことで日々のお参りがしやすくなります。

経机と御供机の違いとは

今では特に違いはあまりありません。
経机は経本を読むために使う机、御供机は御供えものを置くための机としてが由来ですが、今では多少ごっちゃになっています。

名残として、仏壇店などでは経机という名称や、御供机という名称を用いていますが、今では経机にも御供え物を置くこともありますし、御供机に経本を置くこともありますので、あまり名前の違いにはこだわる必要はありません。

ただ、経机は昔の経本を写すという事の名残から、両端に「筆返し」と呼ばれる突起物が付いている事が多いです。
これは昔の経本を写す際に、筆(昔は筆で書くのが一般的)が転がって落ちてしまい、畳が汚れてしまわないよう、筆が端まで転がっても落ちずに戻ってくるように、ストッパーの役割として筆返しが付けられています。

御供机には、こういったものは存在しないものも多くあります。
伝統的にしっかりと考える方などは、筆返しがしっかり付いたものを経机と捉え、法要時には経机でないとと言う方もいるので、そういったところでは注意も必要かもしれません。

ですが、用途や役割としては、現代において、経机も御供机もいわゆる仏具の机に関しては同じ扱いになりつつあり、万能机とも呼ばれるようになっていますので、そこまで気にしなくても大丈夫と言えます。

経机の種類について

一言で経机と言っても、当然種類があります。
今ではだいたい大きくわけると3種類にわけられます。

唐木型の経机

主に唐木仏壇に合わせるための経机です。
唐木仏壇と同じく、紫檀や黒檀、鉄刀木に欅といった唐木を材質に使って作られています。

天然木材を使って作られた高級経机と、見た目を木目に合わせて作られたプリント型の価格を抑えた経机が今では主流になっています。

塗型の経机

金仏壇に合わせるための経机です。
金仏壇と同じく、内部に金箔を施し、黒もしくは朱色で作られた経机になります。

非常に華やかさがあり金仏壇に合わせやすく浄土真宗で金仏壇を持っている、買われる方がお仏壇と合わせて購入されます。

家具調型・モダン型の経机

少し前までは上記2つの種類でしたが、最近では仏壇もモダン型、家具調タイプのお仏壇が主流になってきています。

そのため、その流れにあわせて経机も家具調・モダンタイプのものが多数登場しています。
モダン仏壇に合わせやすいように、タモを使ったり、ウォールナットなどモダン仏壇の材質に合わせて作られています。

家具調型の経机は、経机の名前を冠していますが、最近登場したタイプになりますので、どちらかと言うと、御供えものや仏具を置くための机としての役割としてが強いです。

そのため、先ほど解説したような筆返しが付いておらず、平坦な机になっています。
また、住環境に合わせて、どちらかと言えば唐木型や塗型のように、ずっと置くという使い方よりも持ち運び型が多くあります。

唐木型や塗型には引き出しなどが備わっている一方で、家具調・モダン型の経机にはあまり引き出しが付いているものは少なく、逆に机の脚が折りたたみ式になって収納しやすい作りになっているものが多くなっています。

仏壇に経机が備え付けられた一体型のタイプも

また、お仏壇によっては経机をお仏壇内に備え付けられているものもあります。

下台付などの大型仏壇の場合は、1台で全ての用途を満たせるようにと、その下台の引き出しなどが経机として使えるようになっているものもあります。

これであれば、このお仏壇に合う経机は…といった事や、サイズを図ってといった手間も必要なく、お仏壇と同じ材質・カラー、サイズに合わせた経机を調べずにそのまま手に入ります。

上置仏壇など小型仏壇ではありませんが、大型の40号サイズ以上のお仏壇であれば、備え付いているものもありますので、これからお仏壇も買うという場合は、備え付けのものを買う事でわざわざ用意する必要もなくオススメです。

ただし、多少小さめの経机になったり、簡易的な経机になるため、重い仏具などを多く置く事ができないなどのデメリットもあるので一体型の場合はどういった経机なのかもしっかり調べた上で選ぶように注意しましょう。

どの仏壇にどの経机かという決まりはない

3タイプの経机を解説してきましたが、これにはこの経机という決まりがあるわけではありません。
とはいえ、多くの方が、唐木仏壇をお持ちなら唐木型の経机で合わせますし、金仏壇をお持ちなら塗型の経机を合わせるのが一般的です。

ただ、モダン仏壇や唐木仏壇でも、融合したような唐木のようなモダンのようなお仏壇の場合は、どちらも合わせやすいので、後は好みや用途と予算に合わせて選んでも問題ありません。

経机は1つ持っていると便利な仏具

小型仏壇を安置しているならあまり経机は必要ないかもしれませんが、割と大きめのお仏壇の場合は1つあるだけで大きく変わります。

何か法要時に焦る必要が全くありませんし、急な来客などで御供えを頂いたとしても、経机がないとどこに御供えしよう…と悩みますが経机があれば、全くそういった心配はありません。

お盆の際などの法要時には合わせた飾りや仏具を置き、普段は普段の御供えや仏具を置いておき日々のお参りをするなどまさに万能机と呼ばれている理由がわかる使い方が可能になります。

最近では低予算の方向けの、比較的安価な机も用意されていますので、1つあると便利な経机を置いて見るのもいいのではないでしょうか。

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  • 公開日:2017.04.10
  • 更新日:2020.04.06

カテゴリ:仏具

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