葬儀屋さんから紹介される仏壇や位牌など
これはお得?損?そのメリットとデメリットについて
お仏壇や位牌などを買う際いろいろな買い方があります。
仏壇店へ行ってみたり、ネット通販で見たりというのが今の主流な買い方の1つですが、それ以外に葬儀をお願いしたところから紹介してもらうというのも1つの方法として存在しています。
現代の葬儀は、大手葬儀社に任せた場合、かなりの部分を業者側で代行してくれます。
サービスの一環として、お仏壇・位牌・仏具など、葬儀後に必要なものを見繕ってくれるところも増えてきています。
現代では、故人が亡くなってからお仏壇を用意するものと考えているご家庭も少なくありません。
そのため、葬儀屋による位牌や仏壇・仏具などのあっせんは、今なお一定のニーズが存在している販売形態の一つです。
しかし、一見すると至れり尽くせりのサービスに思えても、いち消費者の目線で見たとき、誰にでもお得になるとは限りません。
そこで今回は、葬儀屋ですすめられるお仏壇・位牌・仏具を購入する際に、どのような利点・注意点があるのかについて、いくつかご紹介していきます。
葬儀屋に任せてお仏壇や位牌・仏具を購入した際のメリット
まずは、葬儀屋が見繕ってくれたお仏壇・位牌・仏具を購入した場合、どのようなメリットが考えられるのかを紐解いていきましょう。
購入時に自分であれこれ悩まなくてよく、時間や手間を省きつつ失敗しないという点が利点と言えそうです。
何を選んだらよいか分からない中でも定番を購入できる
葬儀含め、仏壇仏具や位牌など、人生の中で何度も経験するものではありません。
また、小さい頃に教育などを受けて誰もが知っているというものでもありません。
そのため、いざ必要な場面になったときに多くの人が困惑します。
どれを選べば良いのか、何が必要なのか、事前に知っているという人は今の時代ではかなりの少数派と言えます。
初めて葬式を挙げるご家庭では特にそうですが、新しくお仏壇が必要になったとき、自分で一族の宗派などを一から調べるというのは、時として手間がかかる問題です。
これは仏壇・仏具についても同様で、そもそも自分の家が何の宗派なのか、何を用意すべきなのかについて、タイミングによっては全く分からないまま葬式に進むケースも考えられます。
しかし、葬儀屋を介して生前に故人が打ち合わせをしていれば、どの宗派による葬儀を行うのかや、どういったお仏壇・仏具を用意しておくべきなのかについて事前に担当者に伝えておくことができ、遺族が混乱するのを防げます。
仮に故人が分かっていなかったとしても、葬儀屋の担当者と話をしておけば、生きている間にある程度はっきりしたイメージを持つことは十分可能です。
大手業者であれば、仏壇・仏具店と提携しているケースもありますから、その場合は実物を確認したい場合にも確認することもできるでしょう。
自分はもちろんのこと、遺族に要らぬ手間をかけないために事前に準備できる点は、専門業者ならではと言えるかもしれません。
お仏壇や仏具だけでなく、葬儀から墓地まで幅広く相談に乗ってくれる
葬儀屋の仕事は、現代において多岐にわたっています。
希望の葬儀プランを決め、それに基づいて葬儀を行うのは基本ですが、そのほかの「脇」の部分を固めるような営業も行うようになってきています。
具体的には、葬儀はもちろんのこと、今回のテーマでも取り扱っている、お仏壇・位牌・仏具に関する相談や商品あっせんなどが挙げられます。
さらには、墓地の相談にまで応じてくれるというような、非常に丁寧な対応をしてくれる業者が増えてきました。
この傾向は、互助会制度を取り入れている大手などで特に見られます。
中には、葬儀を実際に行う前であっても、葬儀についてどのような準備が必要かを専門家が回答してくれるフリーダイヤルサービスなどを設けているところもあり、いかに葬儀の前段階で顧客を集めるかを考えて、サービス展開が進められていることが分かります。
そのような体制を整えている会社であれば、当然ながら顧客とその家族に対し、きめ細やかな対応ができます。
自宅の宗派に関わる菩提寺の手配から葬儀時の貸衣装、さらには火葬後の墓地手配における相談など、葬儀時に必要な対応はもちろんのこと、葬儀前後の準備に至るまで責任を持って対応してくれるというのは、遺族にとってはとても安心できることでしょう。
お仏壇選びを代行してくれる業者は、言い換えればそれ以外の部分も代行してくれる可能性があります。
葬儀をスムーズに進めたいのであれば、業者を選ぶ選考基準の一つにもなりえるのです。
新しいお店とのやり取りが不要
葬儀屋に全てを任せた際のもっとも大きなメリットの1つになるのが、葬儀屋を通してお仏壇・仏具を購入すると、他の業者やお店に頼る必要がなくなるという点です。
そのため、一つひとつのお店で面倒なやり取りをせずに、必要なものだけを購入できます。
仏壇・仏具店は、提携関係こそあれ基本的に葬儀屋とは別会社となっているケースが多いですし、別で買えば当然サポートなども窓口は別になります。
ですが、葬儀屋を仲介して一通り必要なものを揃えるのであれば、新たな人間関係の構築・やり取りのわずらわしさを避けることができますから、あまり業者との関係性を広げたくないという方は、葬儀屋経由で品物を揃えた方が楽になるはずです。
葬儀屋に任せてお仏壇や位牌・仏具を購入した際のデメリット
人間関係の新たな構築を省き、葬儀後に行われる仏事などを見据えたお仏壇の購入ができるという点では、葬儀屋任せは面倒事を回避できるメリットがあります。
しかし、当然ながら100%メリットだけというわけではありません。
以下に、葬儀屋にお仏壇・位牌・仏具の用意を任せた際のデメリットをご紹介します。
商品数はかなり限られている事が多い
葬儀屋はあくまでも葬儀屋であり、お仏壇や仏具を取り扱う専門店ではありません。
そのため、仏壇・仏具店に比べると品揃えは決して豊富とは言えません。
どこかの仏壇店を紹介してもらうような形で、その中から検討できるのであればまだ良いのですが、営業担当者の方でいくつかプランを練るような場合であれば、選択肢がその中に限られてしまうため、自由度はそれほど高くはないと考えておいた方が賢明です。
もし、自分の中で自宅に置くならどのようなデザインが良いのか、イメージが湧いているのであれば、事前に担当者に話を通しておくとよいでしょう。
仏壇や位牌などを選ぶ際、店舗や通販などであれば、かなりの数から選べるのに対し、葬儀屋の場合は数種類の中からしか選べないという場合もあります。
間に葬儀屋がはさまるので、保証に関する話をどうするのかは要確認
お仏壇を葬儀屋経由で購入する場合は、細かい契約事についてはしっかりチェックを入れておきたいところです。
特に、保証やアフターサービスに関する部分は、話を持ってきてもらった際にどのようなプランになっているのかを確認しましょう。
お仏壇の多くは、購入日から一定期間までの間に修理・部品交換が必要になった場合、無料で行ってくれる保証制度を用意しています。
それと同時に、保証の対象外となる条件も定めていることから、あっせんによる購入が保証対象となっているかどうかも含め、契約内容の確認が必要です。
また、複数の事業部を持つような大手葬儀社であっても、葬儀は葬儀、仏壇は仏壇と部署が分かれていることから、例えば葬儀・仏壇のコミコミパックというようなプランは用意されていないところがほとんどです。
部署をまたぐような場合は、面倒ですがそれぞれの部に所属するスタッフに確認しながら進めていった方が確実です。
自分で揃えるよりも高額になる可能性がある
葬儀屋からのあっせんを受けてお仏壇などを購入する場合、自分で値札を見て選ばない分、結果的に自分で揃えるよりも高額になってしまうリスクがあります。
葬儀屋を経由する仏壇店側としても、葬儀屋に支払うマージンを考えると値段を上乗せしたいところですから、見えない部分で価格が動いている可能性は否定できません。
葬儀屋経由で購入する場合は、サンプルとして紹介されたお仏壇の大きさ・モデルにつき、ネットでどのくらいの値段で売られているのか、一度当たりを付けてみるのもよいでしょう。
その際に、明らかに相場と異なる金額を提示されるようなら、断りを入れるのも一つの方法です。
安く買いたいという場合にはネットショップを利用する方が確実にお得です。
過去、知人から見せてもらった実際に葬儀屋の紹介で提示される位牌がネットショップの倍以上の値段がしたという事もあります。
価格相場を知らなければ悪い意味でカモにされてしまう恐れもありますので、そういう点には注意が必要です。
自分で購入するケースと比較した場合のメリット・デメリット
葬儀屋経由で仏壇・仏具を購入するメリット・デメリットについてご紹介してきたところで、自分で購入する場合と比較した際には、どのようなメリット・デメリットが想定されるかについても触れていきましょう。
自由度と価格帯については自分で選ぶほうに分があるものの、全く知識がない状態で購入するのも少し危険が伴うため、自分が利用する範囲を決めて利用するのが正しい使い方と言えそうです。
自分で正しいものを選ぶ自信が無いなら葬儀社に頼った方が確実
店舗や通販で仏壇・仏具を購入する場合、少なくとも菩提寺は既に決まっていた方が、実際にどんなデザイン・大きさのものを購入するのかを決めるには有利です。
そこまでは行かないにせよ、宗派をどうするのかや、自宅に和室があるのかどうかなど、イメージに合ったお仏壇を購入する際のアドバイスについては、誰かから受けられる体制を整えておきたいところです。
まだ自宅にお仏壇を置くイメージがはっきりせず、自力で正しいものを選ぶ自信が無いようであれば、やはり葬儀社の目線で選んでもらった方が安心できるかもしれません。
とはいえ、今の時代では悪徳業者もだいぶ減りましたし、店舗はもちろん、通販でも解説サイトが設けられていたり電話相談ができたりするので、そこまで知識が無くとも差がなくなりつつあります。
何が必要か自分で把握できるなら、自分で買い揃えた方が安く質もよい
親類・兄弟姉妹と同じお寺に葬儀をお願いするなど、事前に何が必要になるのかを自分で把握できる関係性が築けているなら、人に聞いて自分で買い揃えてしまった方が安くつきます。
自分の気に入ったものを選ぶという点では、圧倒的な商品数を持つネット通販に分があります。
店舗に100の仏壇を並べようと思うと、土地代が凄いことになりますが、ネットでは実物を見せる必要がないので、100でも200でも見せる事が可能です。
価格帯もさまざまなので、自分が決めた予算での購入も決して難しくありません。
ある程度自分で情報を集められて調べられる環境にいるなら、自分で揃えることも検討してみましょう。
大切なことは、何を優先してお仏壇・仏具を購入するかをイメージすること
葬儀屋に依頼するか、自分で揃えるかについて迷った場合は、最終的に何を優先してお仏壇・仏具を買い揃えたいのか、できれば生前のうちに家族みんなで一度考える機会を設けるとスムーズです。
一生のうちにそう無いことだから、最初にお仏壇や仏具は必要なものを揃えてしまおうと考えるのなら、間違いのないよう葬儀屋を依頼するという選択肢になるでしょう。
逆にあまり細かいことは気にせず、自分たちの好きなように供養したいというのであれば、家族のイメージに合ったお仏壇や仏具を選んだ方が思い入れも深まります。
決して高くはないお金を支払うことになりますから、誰に遠慮することもなく、家族の意向をしっかりと固めておきましょう。
おわりに
かつての日本では、誰かが亡くなった際には「故人の知人」を偽ってお仏壇・仏具などの販売に来るような不謹慎な業者が数多く存在していました。
しかし、消費者の目も厳しくなり、時代の変遷とともに悪徳業者も次第に姿を消しつつあります。
葬儀屋がすすめるお仏壇と聞くと、どうしても疑いの目を向けてしまいがちですが、やはりプロということもあって大っぴらな営業・あっせんは差し控えているお店が増えてきています。
そのような事情もあり、葬儀屋経由でお仏壇を用意すること自体は決して信用性の低い販売形態ではありませんから、今後も続いていくものと思われます。
ただし、やはり葬儀屋はあくまでも葬儀屋です。
わからないしある程度の予算を決めてこれでお願いします。と丸投げが希望であればいいかもしれませんが、お仏壇や位牌、仏具の種類やデザイン、価格や質など多少なりともこだわりたいなら自分で選ぶ方がはるかに良いです。
今では通販もありますから、空いた時間で調べたりするのも簡単にできる時代になり、家族で使うお仏壇だからこそ、自分の目で確かめて選ぶという選択肢も多くなってきています。
いずれを選ぶにせよ、後悔のない品を選びたいものですね。
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