今更ながら改めて確認しておきましょう。
仏壇はどういう役割でなんの目的で絶対に必要なのか
お仏壇と言えば、言わずとしれた日本でも馴染みのあるもので、小さい頃によく手を合わせたという方も多いかもしれません。
しかしながら、小さい頃にお仏壇に馴染みがなかった場合、そもそもお仏壇とはどういう目的で置くものなのか、そして、そもそもお仏壇自体、必要なのか?と考えたり悩んだりする方もいます。
ここでは、そういう方向けに、そもそものお仏壇とは?という事について、基本的なところから解説していきたいと思います。
既にご存じの方もおさらいという事で改めてみていっていただければと思います。
お仏壇の目的は「家の中にお寺を設置する」こと
そもそものお仏壇の始まりは飛鳥時代と言われており、それが江戸時代になって広く普及したと伝えられています。
最古のお仏壇は、歴史の教科書にも出ている「玉虫厨子」と呼ばれるお仏壇になり、今なお法隆寺にて保管されており、現在では国宝とされています。
そもそもこの「お仏壇」とはなにかと言うと、私たちの家の中に設置するお寺として考えられています。
そして、そのお仏壇に信仰の中心となる「御本尊」を祀るのが常とされてきました。
現代では少し意味も変わりつつある
ところが、現代では科学的なものへの信頼感が増したり、ネット文化の普及などで、目に見えないものを信じないといった傾向が強くなりつつあり、少しずつこのあたりも変化してきています。
また、お仏壇には信仰の中心となる御本尊だけでなく、御先祖様のお位牌も祀る事が多いことなどから、現代では信仰の中心の御本尊を祀る事だけでなく、御先祖への感謝の念を伝えたり、対話するための場所として考えられています。
このように本来の目的に現代のライフスタイルに合わせて、多少はお仏壇の目的というのも変わってきています。
とはいえ本来のお仏壇の目的としては、家の中のお寺を作る事とされています。
そのため、お仏壇の最上段は、御本尊を祀るために必ず他よりも一段高くして安置するための場所が設けられいます。
この段を須弥壇(しゅみだん)と呼び、ここに御本尊を祀ります。
余談ですが、この須弥壇は仏教でいう須弥山(しゅみせん)からきており、興味のある方はぜひ調べてみましょう。
寺院に行った事がある方ならおわかりいただけるかと思いますが、寺院でも、華やかで美しい装飾された須弥壇の上に御本尊が安置されています。
仏壇というのは、家の中のお寺を設置するためのものですから、お仏壇の「須弥壇」にも御本尊を祀ります。
そして、御本尊に御先祖が守られていると考えられる事から、一段下に位置する位牌壇に御先祖のお位牌を祀るのが一般的とされています。
お仏壇は本当に必要なものなのか
昔のように信仰心が強い時代ではなく今は多様性なども叫ばれ、色々なことが自由でもあります。
また、お仏壇や御本尊など一式揃えようと思うと金銭的負担も多いことから、特に若い年代層には、仏壇は無くてもいいのでは?と考える人も増えてきています。
お仏壇が必要かどうかというのは、極論を言えばその人・その家庭次第と言えます。
昔ではお仏壇を家に設置するのは「当たり前」の時代でした。
それこそ、昔ではお仏壇を買うというのは、一生に一度の必要な買い物と思われていたくらいでした。
しかし、現代では家に仏壇が無いという方も多くなってきていますし、おじいちゃんやおばあちゃんの家でしか見たこともないという方も少なくありません。
必要かどうかは、それぞれの考え方や家庭などによって変わりますが、ここでは仏壇の必要性として挙げるのであれば、3つのポイントとして挙げてみたいと思います。
心のよりどころとして
昔の日本では、今では考えられないかもしれませんが、朝に神棚を拝んでお仏壇に向かって御本尊と御先祖に合掌と礼拝をして、お経を読むというのが一般的でした。
今ほど科学的に様々なものが明かされている時代ではないため、より所としての存在は大きかったとも言えます。
合掌礼拝をしたりお経を読んだりし、仏様に心を向ける事で、心に安らぎをもたらせてくれます。
今でも同じようにお仏壇を心の拠り所として安置するという方も多くいらっしゃいます。
あの人が見守ってくれている気がするといった言葉を過去に何度も聞いたことがありますが、特に御家族が亡くなられた時などの悲しみは大きなものです。
そういった時、お仏壇を安置することで、残された家族側の心身が疲弊しすぎないといったことがあります。
先祖供養する大切な場として
現代では色々なものが情報化され、趣味なども多様化し人間関係だけに留まらず家族関係ですら希薄化しつつあります。
それに伴い、昔では当たり前であった文化や風習も、今では廃れてしまっているものも少なくありません。
しかしながら、人間は没後30年は正月や盆、そして命日などにこの世に戻ってきて子孫と交わることができると言われていますので、三十三回忌までは温かくもてなしてあげるようにしたいものです。
御先祖に感謝を伝え礼拝をし祈る事は、過去から未来の自分の子孫へ繋げて行くためには非常に重要でもあります。
お寺にお参りに日々行くのは難しいものです。
だからこそ家の中のお寺の役割を持つお仏壇が家にあれば毎日お参りしやすくなります。
今は亡き親族との対話の場として
今ではお仏壇にご両親や家族の位牌を祀るという方も多くいます。
また、亡くなられても、どこかで自分を見守ってくれていると考えるのはおかしな事ではなくむしろ、自然な事と言えます。
何か良い事、嬉しい事があった時に報告をしたり、嫌な事があったり悲しい事があったときに聞いてもらう場として、故人の写真や位牌に手を合わせて会話をしたりする事で、心も落ち着きを取り戻せます。
家にある仏壇を通して、亡き人が見守ってくれている、大切だった亡き人と会話をできるというのは、残された家族にとって、これから生きる勇気を与えてもらえますし前向きにもなれます。
今はお仏壇が不要と思われる方も増えてきてはいますが、今では多様な生活スタイルに合わせた仏壇も作られており、小さめのお仏壇などもありますから、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
そもそものお仏壇についてをまとめてみました。
昔のお仏壇と、今のお仏壇では、役割や意味も少しずつ変化していきています。
昔のように買って当たり前という時代ではなく、仏壇を持たない家庭も多くあります。
特に都心部などでは、そもそも住環境に問題でお仏壇を置くスペースが無いという家庭も多いはずです。
お仏壇が必要か必要でないかというのは、極論を言えばあなた自身の考え方次第と言えるかもしれません。
しかしながら、大切な人を亡くしたりした場合、人はどうしても何かにすがりたくなったり拠り所として欲する傾向があります。
残された家族がどれだけ悲しみに暮れていても、生きて行かなければなりません。
今では、お仏壇は供養という面だけでなく、そういった心の拠り所や残された家族の立ち直り、前向きに生きて行くための拠り所としての意味も持っていると言えるのではないでしょうか。
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